指導歴23年のベテラン塾講師が教える失敗しない中学受験 vol.17
公立中高一貫校受検のすすめ ②
こんにちは。のび太です。
前回、公立中高一貫校受検を
お勧めしました。理由は本人と親
の双方にとって負担が軽いことと
これからの世の中に必要な人材
となるために大切な力を磨くこ
とができるからです。
今回は損失が少なく効果の大きい
公立中高一貫校受検の試験科目、
適性検査の中身をお伝えします。
東京にある公立中高一貫校は11校
そのうち御三家(小石川、武蔵、両国)
と富士、大泉、白鷗、九段の計7校
の適性検査は Ⅰ~Ⅲ の3種類。
の4校は、Ⅰ~Ⅱの 2種類
の 適性検査となります。
Ⅰ は作文、Ⅱ は理系(含む
社会統計)問題、Ⅲ は上記7校
の 独自問題(理系が多い)です。
大泉、富士と御三家の Ⅰ(作文)
は 同一問題(共同問題)です。
桜修館、白鷗、九段の Ⅰ は
それぞれ独自問題となります。
つまり Ⅰ については、6種類の
独自問題+共同問題の 計7種類
あるということになります。
東京の 11校の適性 Ⅰの 問題 は
よく練られていて地方の中学受検
対策の練習問題としても 有効 です。
別の言い方をすれば、東京で出された 問題
が 書ければ、地方の公立中高一貫校 の
問題も書ける ということです。
僕はこれまで主に適性 Ⅰ の作文
指導をしてきましたので、その
攻略法 についてお伝えしますね。
僕が担当した最初の 桜修館合格者
のD君は算数は良くできましたが
作文は書けませんでした。
小6の7月に初めて書かせた
作文は、わずか3行で終了。
本人によれば書くことがないとのこと。
翌年2月の本番では 400字~600字
を45分で書かなければならないのに ...
このD君がどうして半年後
の試験で合格できたのか
少し振り返ってみます。
当時は公立中高一貫校が全国に
できはじめた頃で、作文対策の
問題集も揃っていませんでした。
そこで僕は日本語文章能力検定
試験(文検)の 5~7級 の
問題を使って書く練習をさせました。
5~7級というのは同一問題で
出来具合により「〇級合格」と
判定されていました。
「7級合格」の判定だと小学校
高学年程度、「5級合格」の
評価だと中3レベル となります。
D君は夏から作文練習して、10月
の検定で7級に合格、本番直前
の1月には5級に合格したのです。
この検定試験の問題を少し紹介
しますね。
ここにはポップコーンを売って
いるお店の前に男の子と女の人
がいる絵が描かれています。
この絵の様子を絵を見ていない
人が正確に思い描けるよう文章
で表現しなさいという問題です。
主観を入れずに文章の読み手が
同じ絵を描けるような客観的な
文章表現が求められます。
多くの生徒は、「お母さんが
息子にポップコーンを渡して
います」と書きます。
しかし、女の人はお姉さんや
おばさんかも知れません。
母親と限定すると減点されて
しまうのです。
この手の問題を客観的な文章
を書く練習をさせるために良
く使いました。
D君は作文は苦手でしたが、
国語はそこそこ出来ました。
作文課題も指示すれば何と
か継続してやってきてくれ
たので徐々に書けるように
なったのです。
次回は作文力をつけるため
にどうすれば良いのか考え
ます。
最後までお読み頂きありがとう
ございました。
今日一日があなたにとって素敵
な一日となりますように。